近年、NFTの取引を始める人が急激に増えています。2018年には約40億円だった取引量が2021年には1.5兆円まで膨れ上がっており、注目度が増しています。ですが新しい技術のため、あまりよくわからない人が多いのが現状。
本記事では「NFTに興味はあるけど始め方がいまいちわからない」という人向けに、NFTの始め方をわかりやすく説明します。NFTを始めるメリットや注意点なども理解することができます。
●この記事の結論
・NFTの売買には「取引所」「ウォレット」「マーケットプレイス」が必要
・NFTは初心者でも問題なくチャレンジできる
・NFTは将来性が大きくまだまだチャンス
NFTに難しそうなイメージを持っているかもしれませんが、意外とシンプルで簡単なので安心してください。NFT売買の経験がない人でもわかるように丁寧に説明します。
NFTの始め方をわかりやすく解説!~購入方法~
まずはNFTの購入方法から説明していきます。NFTを購入する際には以下の6つのステップを踏む必要があります。
①仮想通貨取引所の口座開設
②仮想通貨取引所でイーサリアムを購入
③仮想通貨ウォレットのアカウント作成
④取引所からウォレットにイーサリアムを送金
⑤マーケットプレイスのアカウント作成
⑥マーケットプレイス上でNFTを購入
NFTを購入するためには、「取引所」「ウォレット」「マーケットプレイス」の全てでアカウントを作る必要がありますので、ここから解説していきます。少し面倒に感じるかもしれませんが、手続き自体は難しくないので安心してください。
①仮想通貨取引所の口座開設
まずは「仮想通貨取引所」の口座開設をします。
仮想通貨取引所とは、暗号資産(仮想通貨)と現金(日本円)を取引する場所。日本円で仮想通貨を購入したり、購入した仮想通貨を日本円に戻したりします。
あくまで、仮想通貨と日本円を交換するだけなので、NFTの購入ができるわけではありません。
つまり「日本円」⇄「仮想通貨」⇄「NFT」という感じで、日本円で直接NFTを売買するのではなく、仮想通貨を使ってNFTを売買したり、日本円に換金したりするイメージですね。
個人的なおすすめは「Coincheck(コインチェック)」です。Coincheck(コインチェック)は後述するマーケットプレイスの機能も兼ね備えており、口座開設をしておけばかなり便利にNFTの取引を行うことができます。僕自身もお世話になっています。
引用元:はじめての暗号資産はコインチェック – Coincheck
口座開設の手続き自体はスマホで20分ほど。口座開設完了までは約1週間くらいかかると考えておいてください。口座管理料等は一切かからないので、早めに口座開設だけでもしておくのがおすすめです。
②仮想通貨取引所でイーサリアムを購入
引用元:暗号資産を売買する方法は?取引所と販売所の違いも解説します
仮想通貨取引所の口座開設ができたら、仮想通貨を購入します。NFTの取引はほとんどがイーサリアム(ETH)で行われているので、イーサリアム(ETH)を購入しましょう。
日本円で仮想通貨取引所が指定する銀行口座へ入金を行い、その後にイーサリアムの注文を出します。イーサリアムクラシック(ETC)のように名前が似ている通貨もあるので間違いには注意してください。
アルファベット「ETH」で検索すれば間違いありません。
③仮想通貨ウォレットのアカウント作成
続いては「仮想通貨ウォレット」の作成です。ウォレットとは、NFTを購入するための仮想通貨を管理したり、購入したNFTを保存しておく場所のこと。NFTを取引するときは、ウォレットを介して行うことになります。
引用元:MetaMask: The crypto wallet for Defi, Web3 Dapps and NFTs
おすすめのウォレットは「MetaMask(メタマスク)」です。最も利用者が多いウォレットなので、操作に困った場合でも、Google検索ですぐに解決方法を知ることができます。他のウォレットを使うのは上級者向けなので、仮想通貨のウォレットが初めての方はまずメタマスクから始めていきましょう。
④取引所からウォレットにイーサリアムを送金
仮想通貨ウォレットが準備できたら、取引所で購入したイーサリアム(ETH)をウォレットへ送金します。ウォレットには固有のアドレスが発行されており、取引所の送金ページにアドレスを入力すればOKです。
アドレスは複雑な文字列になっていて、間違えると他人のウォレットに送金してしまう可能性もあるので、必ずコピペして間違いがないように注意してください。
⑤マーケットプレイスのアカウント作成
続いて、「マーケットプレイス」のアカウントを作成しましょう。マーケットプレイスは「NFTを販売しているサイト」だと考えてください。マーケットプレイスは国内外に複数あり、それぞれ特徴があります。
- OpenSea(オープンシー):世界最大級でコンテンツの数も随一。
- Rarible(ラリブル):NFTゲーム運営会社と提携。ゲーム内アイテムの取扱が多い。
- Coincheck NFT(β版):Coincheckが運営しており、手数料が無料。
- SBINFT Market:日本初のマーケットプレイス。音楽や動画などアート以外も充実。
OpenSea(オープンシー)は取扱量が圧倒的ですので登録必須です。また、Coincheck NFT(β版)は国内のNFTゲームのアイテム取引が多いため、日本人は利用する頻度が高くなります。Coincheckの取引所口座を保有していれば使えますので、おすすめ。
引用元:OpenSea, the largest NFT marketplace
マーケットプレイスごとに出品されているNFTが異なるので、選択肢を増やすためにも上記の4つは登録しておいて損はないです。もちろん管理費用等はかかりません。
⑥マーケットプレイス上でNFTを購入
引用元:OpenSea, the largest NFT marketplace
ここまでの事前準備ができたら、いよいよNFTの購入です。マーケットプレイスで自分が購入したいNFTを探します。ウォレットとマーケットプレイスは連携しているので、ウォレット内のイーサリアムを使ってNFTを購入する仕組みです。
購入方法としては主に「オークション方式」と「固定額方式」があります。出品されているNFTによって異なるので、販売条件等を確認して入札・購入をしましょう。
NFTの始め方をわかりやすく解説!~出品方法~
続いて、NFTの出品方法について説明していきます。NFTは誰でも作品を販売できるため、今後も出品者が増えていきそうですね。NFTを出品するためには以下の7つのステップを踏む必要があります。
①オリジナルアートの作成
②仮想通貨取引所で口座開設
③仮想通貨取引所でイーサリアムを購入
④仮想通貨ウォレットのアカウント作成
⑤取引所からウォレットへイーサリアムを送金
⑥マーケットプレイスのアカウント作成
⑦マーケットプレイスにアップロードして販売
NFTの出品方法も、事前準備は購入方法とほとんど同じです。一度でもNFTを購入済みの人はすぐに完了しますが、初心者向けに丁寧に説明します。
①オリジナルアートの作成
まずは出品するためのオリジナルアートを作成します。
アーティストの方はもちろん、子どもの趣味といったレベルであっても、一度、自分のアートをNFTにして出品してみるのは面白いと思います。買い手が見つかって、想定以上の値段で売れるかもしれません。
NFT専用の特別なツール等はありませんので、普段使っている道具でアートを作成すれば、それをマーケットプレイスに出品することが可能です。
②仮想通貨取引所で口座開設
購入時と同じく、NFT出品時にも「仮想通貨取引所」の口座開設が必要になります。日本円と仮想通貨を取引する場所です。
Coincheck(コインチェック)が初心者でも扱いやすくおすすめです。
引用元:はじめての暗号資産はコインチェック – Coincheck
③仮想通貨取引所でイーサリアムを購入
仮想通貨取引所の口座開設が完了したらイーサリアムを購入します。
「NFTを出品するのにもイーサリアムが必要なの?」と感じるかもしれませんが、NFT出品時にも必要です。NFTを出品するときには「ガス代」という手数料を販売時に支払う必要がありまして、このガス代をイーサリアムを使って支払います。
ガス代は時期やマーケットプレイス(販売する場所)によっても異なりますが、5000円~1万5000円くらいが相場になっています。出品時にガス代を調べて必要なイーサリアムを購入しましょう。
引用元:暗号資産を売買する方法は?取引所と販売所の違いも解説します
④仮想通貨ウォレットのアカウント作成
次は「仮想通貨ウォレット」のアカウント作成をします。
ウォレットについても前述していますが、NFTを売買するときに必要なイーサリアムを管理したり、NFTを保存したりするために使います。おすすめのウォレットは「MetaMask(メタマスク)」です。
引用元:MetaMask: The crypto wallet for Defi, Web3 Dapps and NFTs
⑤取引所からウォレットへイーサリアムを送金
ウォレットを作ったら、仮想通貨取引所で購入したイーサリアムをウォレットへ送金します。
NFT出品時のガス代を支払うための送金になります。送金時にはアドレスを間違えると大変なことになるので、必ず間違いがないように十分チェックをしてください。
⑥マーケットプレイスのアカウント作成
続いては「マーケットプレイス」のアカウント作成です。マーケットプレイスはNFTを売買するためのサイト。NFTをマーケットプレイス上で出品して、購入者が現れるのを待つことになります。
- OpenSea(オープンシー):世界最大級でコンテンツの数も随一。
- Rarible(ラリブル):NFTゲーム運営会社と提携。ゲーム内アイテムの取扱が多い。
- Coincheck NFT(β版):Coincheckが運営しており、手数料が無料。
- SBINFT Market:日本初のマーケットプレイス。音楽や動画などアート以外も充実。
「早くたくさん販売したい!」ということであれば利用者の多いOpenSea(オープンシー)がおすすめですし、「とにかく手数料を安くしたい」ということであればガス代が無料のCoincheck NFT(β版)がおすすめ。
引用元:OpenSea, the largest NFT marketplace
マーケットプレイスごとにも出品の多いNFTの傾向もありますので、複数のマーケットプレイスを見て自分の作品がどこで売れやすいか検討してみましょう。
⑦マーケットプレイスにアップロードして販売
マーケットプレイスの準備ができたら、最後に出品の手続きです。マーケットプレイスに作品の名前や説明、販売条件等を入力して出品します。
引用元:OpenSea, the largest NFT marketplace
NFT出品時には「オークション方式」と「固定額方式」を選びます。
名前の通りで、オークションで購入者を募るか、自分が設定した価格で出品するかの違いです。
「固定額方式」で出品した場合も、購入者から設定金額以下で購入したいというオファーが届くこともあります。
以上でNFTの出品は完了です。
NFTを始めるための初期費用
NFTを始めるための初期費用について説明します。購入する場合と出品する場合でかかる必要が異なるので、それぞれ解説していきます。
NFTを購入する際の初期費用
NFTを購入する際の初期費用としては以下の通りです。
- 取引所への入金手数料 → 500円程度
- イーサリアムの購入時手数料 → 6%程度
- ウォレットへの送金手数料 → 3000円程度
- NFTを購入するためのガス代 → 3000円程度
- 購入するNFTの金額 → NFT次第
以上がNFT購入時に必要な初期費用になります。
取引所やマーケットプレイスによっても異なりますし、タイミングによっても異なるので多少の上下はありますがざっくりこのくらい。
例えば5万円ほどのNFTを購入しようと思ったら、NFT5万円と別に約1万円くらいかかるイメージです。
少し高いと感じるかもしれませんが、「取引所への入金手数料」や「ウォレットへの送金手数料」は一度に多めの金額を取引しておけば毎回かかることはないので、節約する工夫もできます。
NFTを出品する際の初期費用
NFTを出品する際の初期費用としては以下の通りです。
- 取引所への入金手数料 → 500円程度
- イーサリアムの購入時手数料 → 6%程度
- ウォレットへの送金手数料 → 3000円程度
- NFTを出品するためのガス代 → 5000円程度
- NFT販売時にかかる手数料 → 2~5%程度
以上がNFT出品時に必要な初期費用です。
出品時の初期費用もマーケットプレイスごとに異なりますし、タイミングによっても大きく変動しますのでチェックが必要です。5万円のNFTを販売しようと思ったら、こちらも1万円くらいがかかってしまう計算ですね。
出品時の初期費用も決して安くはないですが、「NFTを出品するためのガス代」は初回出品時だけかかる場合や無料になる場合もあるので、毎回負担する必要はありません。
「取引所への入金手数料」や「ウォレットへの送金手数料」についても、一度の取引金額を増やすことで節約可能です。
NFT売買以外で儲ける方法
NFTで利益を上げる方法としては「NFTを安く買って高く売る」「自分でNFT作品を作って販売する」というのが一般的ですが、それ以外にも利益を上げる方法があります。初心者でもできるおすすめの方法です。
NFT関連銘柄の売買で利益を上げる
NFTで儲ける方法として、NFT関連銘柄の売買が考えられます。NFT関連銘柄とは、「NFTの売買やNFTゲーム内で使われる仮想通貨」のこと。NFT作品を取引するのではなく、仮想通貨の取引をします。
NFTはオークション終了まで待ったり購入者が現れるのを待ったりするなど、購入・出品まで時間がかかることもあります。ですが、NFT関連銘柄の取引であれば時価ですぐに取引を成立させられるのがメリット。機動的に売買が可能です。
主なNFT関連銘柄は以下の通り。
- エンジンコイン(ENJ)
- サンドボックス(SAND)
- チリーズ(CHZ)
- テゾス(XTZ)
- マナ(MANA)
NFTゲームをプレイして仮想通貨を稼ぐ
NFTゲームをプレイすることで仮想通貨を稼ぐこともできます。
今まではゲームを購入して楽しむものでした(Pay to Play)が、NFTの登場によってゲームをプレイしながらお金を稼ぐ(Play to Earn)ということが可能になりました。
フィリピンなどではゲームをプレイすることで生活費を稼いでいる人も多いです。
通貨を稼いだら、仮想通貨取引所で売買することもできますし、ゲーム内でアイテムを購入してさらにゲームを楽しむこともできます。
しっかり稼ごうと思ったら、初期投資が10万円くらいは必要になります。ある程度の初期投資は必要になりますが、本気で取り組んでいるプレイヤーは決して多くないので、稼ぐチャンスは多くあります。
NFTを始めるメリットや将来性
NFTは今までにない画期的な技術でして、将来性もあるため今から始めておくメリットはとても大きいです。徐々に浸透してきてはいますが、まだまだ知らない人が多いのが現状。これからの成長が期待できます。
- NFTは将来的な値上がりが期待できる
- NFTは相互運用性で価値が下がりにくい
- NFTは紛失・劣化する危険性が小さい
- NFTクリエイターは二次手数料が入る
NFTは将来的な値上がりが期待できる
前述の通りで、NFTは画期的な技術です。
今まで価値が失われていた無数のデジタルデータに大きな価値をつけることができるので、今後の成長が期待できます。
バブル的な値上がり後に価格が落ち着いてきたとはいえ、まだ価格の上昇は十分考えられます。
最近ではEXILEの関口メンディーさんや香取慎吾さんなど、著名人もNFTに参入してきており、注目度が増しています。今のうちにNFTを保有しておけば、将来的に大きく価格が上昇して利益を得られる可能性が高いです。
NFTは相互運用性で価値が下がりにくい
「相互運用性」とは、複数のプラットフォームを横断して運用できることです。
ゲーム内で獲得したアイテムをゲームと無関係のマーケットプレイスで販売できるということ。「せっかく課金したのにゲームが終わってしまって無価値になった…」という心配がありません。
相互運用性という特徴のおかげで、NFTの価値は下がりにくくなります。そのため、NFTを購入する人が増えていく可能性が高いですね。
NFTは紛失・劣化する危険性が小さい
NFTはデジタルデータなので紛失・劣化する危険性がありません。
今までのコレクションであれば保管方法など気を使うことが多いですが、NFTなら問題なし。傷がついたりボロボロになって価値がなくなる心配がありません。この点もNFTに参入する人が増える理由になります。
一応注意点として、NFTをや通貨を送る際に送り先のアドレスを間違えると、取り戻せない可能性が高いです。
こういう人為的なミスがあると、NFTであっても紛失してしまうことはあり得ます。注意すれば防げることですので、送信先はくれぐれもチェックしましょう。
NFTクリエイターは二次手数料が入る
NFTの特徴でもあるスマートコントラクトの機能を使うことで、クリエイターは「二次手数料」を得ることができます。作品を購入した人が再度別の人に販売する場合に、販売額の一部がNFTクリエイターに入る仕組みです。
二次手数料があることによってクリエイターは利益を得やすくなりますので、クリエイターとして成功しやすくなります。また、参入者が増えたり質の高いNFTアートが増えてくることでさらなる値上がりも期待できます。
NFTの取引で注意すべきポイント
では最後にNFTの取引で注意すべきポイントを説明します。NFTは今後の期待が大きい一方で、リスクも小さくありません。注意点を理解した上で取引を行いましょう。
NFTを高値掴みしないように注意する
NFTはまだ新しい分野であるため、投機的な取引もたくさん行われます。
NFTの価値や魅力とは関係なく、短期的な値上がりだけを期待した購入者が多いということです。
もちろん利益を得るために取引するのは悪いことではありませんが、短期的に大きな利益を狙うことは当然大きなリスクを負います。
買った直後に価値が暴落してしまう可能性もあります。そのため、短期的に大きく値上がりしているNFTには手を出さない方が無難です。高値掴みをして大きな損をしないように、慎重に取引をしてください。
NFTの契約条件をしっかり確認する
NFTを取引するときには契約条件を確認しましょう。
「購入したNFTを商用利用したら契約違反だった」というようなトラブルが頻発しています。NFTは法整備が追いついていないため、トラブルが発生しやすいですが、自分で気をつけること回避できることも多いです。
NFTはまだまだチャンスがある!
この記事では、NFTの始め方やそれに伴う基礎知識をお伝えしてきました。具体的には、この5つがポイントでしたね。
- NFTの売買には「取引所」「ウォレット」「マーケットプレイス」が必要
- NFTは専用のツールなどなく初心者でも簡単にチャレンジできる
- NFTは初期費用も小さく将来性も大きい
- 「NFT売買」の他に「NFT関連銘柄の売買」や「NFTゲーム」でも稼げる
- NFT特有のリスクもあるので高値掴みや利用規約には注意する
NFTは、株や債権などの昔からある投資対象に比べて値動きが激しく、ハイリスクハイリターンの投資といえます。
ですが、このように新しい投資対象だからこそ、まだ誰も戦略的な売買をしていない(プロの機関投資家もいない)状況とも言えます。
そのため、NFTの知識をつけて、他のライバルよりも割安で低リスクにNFT選定する技術がつけば、ミドルリスクでハイリターンを得ることも可能になります。
まずは、「取引所」「ウォレット」「マーケットプレイス」の登録を済ませて、どういう値段でどういうNFTが売買されているかをチェックしてみましょう。
実際に見て理解度を高めることが、NFT売買で稼ぐ一番の近道です。
コメント