NFTを取引するためには、「マーケットプレイス」を使うことが必要になります。ただ、マーケットプレイスはたくさん種類があるため、どれを選べば良いか悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
本記事では、日本と海外のマーケットプレイスを比較し、それぞれの特徴を解説します。また、マーケットプレイスの購入/出品方法なども説明していきます。
●本記事の結論
・NFTマーケットプレイスはNFTを売買するための〝お店〟
・手数料や使いやすさなどそれぞれに特徴がある
・有名どころのマーケットプレイスを使うのが無難
マーケットプレイスを徹底的に比較するので、NFTを取引する上で自分がどのマーケットプレイスを選べば良いか判断しましょう。
NFTマーケットプレイスとは?概要・仕組みを解説
マーケットプレイスとは、『NFTを売買するために使うオンライン上のお店』のことです。出品されているNFTの中から買いたいものを選んだり、自分が保有しているNFTを出品したりすることができます。
NFTの売買が行われて保有者が変わると、それがブロックチェーン上に刻まれて保有していることの証明になるという仕組み。
マーケットプレイスはたくさんの種類があり、それぞれ扱っているNFTや手数料などが異なります。以下で一覧で比較するので自分に合ったものを見つけてください。
NFTマーケットプレイスの選び方
取引したいNFTの種類で選ぶ
マーケットプレイスを選ぶ上では、どんなコンテンツをメインに扱っているかが大切です。マーケットプレイスごとに、出品されているNFTはかなり異なるので、自分がどんな種類のNFTを売買したいのかを決めて、そこから判断していきましょう。
例えば、日本のNFTゲーム内アイテムは日本のマーケットプレイスの方が流通量が多いですし、海外のゲームアイテムであれば海外のマーケットプレイスを探すべき。
とはいえ、扱いの多いNFTの種類は実際にマーケットプレイスを見てみないとわからないので、いくつかのマーケットプレイスを一通り眺めてみることをおすすめします。他のマーケットプレイスよりも安値で売られているNFTに出会えるかもしれません。
規模や信頼性の高さで選ぶ
マーケットプレイスを選ぶ上では、規模や信頼性も重要視しましょう。規模が小さいとマーケットプレイスが潰れてしまったり、ハッキングにあって損失を被ってしまう可能性もあります。NFTはまだ新しい分野でして、ハッキングなどの被害が少なくないので注意が必要。
以下の方法で、ある程度の規模や信頼性は把握することができます。
- 「DappRadar」というサイトで取引量などを見る
- マーケットプレイス名でググって十分な情報が出る
- Twitterで検索をかけて十分な情報が出る
手数料の安さで選ぶ
手数料もマーケットプレイスを選ぶ基準になります。手数料が高いと売買益を得るのが難しくなってしまいますので、手数料は安く済ませるべきですね。ですが、「手数料が安ければ良い」というものでもないので注意してください。手数料が安い代わりにセキュリティが甘いという可能性もありますので。
日本のNFTマーケットプレイスおすすめを一覧で比較
Coincheck NFT(β版) | SBINFT Market | Adam byGMO | |
---|---|---|---|
メインコンテンツ | アート ゲームアイテム | アート 音楽 トレーディングカード | アート イラスト |
手数料 | 入庫手数料→ガス代のみ 販売手数料→10% 出庫手数料→0.01~0.16ETH | 販売手数料→10% | 2次販売手数料→5% 振込手数料(円取引)→300円 決済手数料(クレカ取引)→3% 出庫手数料→0.05ETH |
対応通貨 | BTC, ETH, MONA, LSK XRP, XEM, LTC, BCH, XLM QTUM, BAT, IOST, ENJ OMG, PLT, SAND | ETH, MATIC | ETH |
決済方法 | 仮想通貨 | 仮想通貨 クレジットカード | 仮想通貨 クレジットカード 銀行振込(日本円) |
公式ページ | https://nft.coincheck.com/ | https://sbinft.market/ | https://adam.jp/ |
特徴 | ①出品/購入時の手数料がかからない ②Coincheckの口座があれば利用可能 | 公認アーティストの作品が出品されている | ①銀行振込で対応可能 ②EXILE・井上尚弥・ヒカルなど著名人のNFTが多い |
まずは日本のマーケットプレイスのおすすめを比較していきます。ちなみに、日本のものであっても海外の人も使っていますし、海外のものでも日本人が使うことはできます。
今回紹介するのは以下の3つ。
Coincheck NFT(β版)
最初に紹介するのは「Coincheck NFT(β版)」です。仮想通貨取引所の「Coincheck」が運営するマーケットプレイスで、日本ではトップレベルの知名度。概要は以下の通りです。
- メインコンテンツ:アート・ゲームアイテム
- 手数料:入庫手数料→ガス代のみ・販売手数料→10%・出庫手数料→0.01~0.16ETH
- 対応通貨:BTC, ETH, MONA, LSK, XRP, XEM, LTC, BCH, XLM, QTUM, BAT, IOST, ENJ, OMG, PLT, SAND
- 決済方法:仮想通貨のみ
- 特徴:①出品/購入時の手数料がかからない②Coincheck(取引所)の口座を保有していれば利用可能
- 公式ページ:https://nft.coincheck.com/
出品/購入時の手数料がかからないのは大きなメリットですね。通常であればかかる手数料ですが、Coincheck NFT(β版)であれば無料なので、嬉しいですね。
操作も簡単で取扱のあるNFTの種類も幅広いので、「NFTに興味があるしとりあえず始めてみようかな」と考えている初心者にはぴったり。
SBINFT Market
続いては、「SBINFT Market」です。元々は「nanakusa」という名前でしたが、リニューアルして名称が変わりました。日本初のマーケットプレイスとして有名です。
- メインコンテンツ:アート・音楽・トレーディングカード
- 手数料:販売手数料→10%
- 対応通貨:ETH, MATIC
- 決済方法:仮想通貨・クレジットカード
- 特徴:公認アーティストの作品が出品されている
- 公式ページ:https://sbinft.market/
公認アーティストの作品が出品されているので、素人が適当に作った作品を買ってしまうリスクがないのがメリットですね。一方で出品されるNFTの種類が少なくなるのがデメリット。
ある程度の知名度のある人の作品を買いたい人や応援しているアーティストがいる人にはおすすめ。
Adam byGMO
3つ目はGMOグループが運営する「Adam byGMO」です。著名人のNFTを多く取り扱っていることで注目を集めています。
- メインコンテンツ:アート・イラスト
- 手数料:2次販売手数料→5%・振込手数料(円取引)→300円・決済手数料(クレカ取引)→3%・出庫手数料→0.05ETH
- 対応通貨:ETH
- 決済方法:仮想通貨・クレジットカード・銀行振込(日本円)
- 特徴:①銀行振込で対応可能②EXILE・井上尚弥・ヒカル(YouTuber)など著名人のNFTが多い
- 公式ページ:https://adam.jp/
銀行振込が可能なので、仮想通貨を調達する手間が省けますね。ただ、余計に手数料がかかるので可能であれば仮想通貨で取引をすることをおすすめします。
著名人のNFTであれば、将来的にプレミア価格になる可能性もあるので、二次販売で大きな利益を狙っている人にはおすすめです。
海外のNFTマーケットプレイスおすすめを一覧で比較
OpenSea(オープンシー) | Rarible(ラリブル) | Foundation(ファンデーション) | |
---|---|---|---|
メインコンテンツ | アート 動画 | アート | アート |
手数料 | 販売手数料→2.5% | 販売手数料→2.5% 決済手数料(クレカ取引)→3% | 販売手数料→5% |
対応通貨 | ETH, MATIC, KLAY, XTZ | ETH | ETH |
決済方法 | 仮想通貨 | 仮想通貨 クレジットカード | 仮想通貨 |
公式ページ | https://opensea.io/ja | https://rarible.com/ | https://foundation.app/ |
特徴 | ①規模が大きい ②手数料も安く抑えられている | 独自通貨「RARI(ラリ)」を発行しており、保有者が運営に参加できる | ①アーティストは招待制でありNFTの品質が高い ②高価格帯のNFTが揃っている |
続いて、海外のマーケットプレイスのおすすめを比較します。紹介するのは以下の3つ。
OpenSea(オープンシー)
2017年にスタートした老舗のマーケットプレイス。世界最大規模でユーザー数は60万人、NFT出品数は8000万(※)を超える。NFT取引をする上では知らない人はいません。(※「NFTの動向整理」消費者庁)
- メインコンテンツ:アート・動画など幅広い
- 手数料:販売手数料→2.5%
- 対応通貨:ETH, MATIC, KLAY, XTZ
- 決済方法:仮想通貨(一部ではクレジットカード対応あり)
- 特徴:①規模が大きい②手数料も安く抑えられている
- 公式ページ:https://opensea.io/ja
OpenSeaはとにかく利用者が多いので、探しているNFTが見つかりやすいですし、出品してから売れるまでの時間も短くなります。また、操作がかなりシンプルで初心者にも使いやすいですね。僕もNFT取引を始めた当初からOpenSeaを使っていますが、感覚的に操作が可能。
間違いなく、登録必須のマーケットプレイスです。
Rarible(ラリブル)
続いての「Rarible」は、OpenSeaに次いで知名度のあるマーケットプレイスです。2019年にリリースされて以来、急成長を遂げており注目度が高いです。
- メインコンテンツ:アート
- 手数料:販売手数料→2.5%・決済手数料(クレカ取引)→3%
- 対応通貨:ETH
- 決済方法:仮想通貨・クレジットカード
- 特徴:独自通貨「RARI(ラリ)」を発行しており、保有者が運営に参加できる
- 公式ページ:https://rarible.com/
元々はアート専門のマーケットプレイスとして始まりましたが、徐々に取引を拡大していき、現在では動画やゲームアイテムなどの取扱いもあります。
独自通貨「RARI」を保有していると投票権がもらえるので、利用者が運営に参加しやすい仕組みになっています。
Foundation(ファンデーション)
3つ目は「Foundation」です。上の2つと比べて金額の高いNFTが揃っていることもあり、本格的にNFT取引をしている人が多く利用している傾向があります。
- メインコンテンツ:アート
- 手数料 販売手数料→5%
- 対応通貨:ETH
- 決済方法:仮想通貨
- 特徴:①アーティストは招待制でありNFTの品質が高い②高価格帯のNFTが揃っている
- 公式ページ:https://foundation.app/
アーティストが招待制であることは、日本のマーケットプレイス「SBI NFT」と似ている部分ですね。ある程度の知名度があるクリエイターしか出品できないので、価値の担保になります。
現在は招待制が撤廃されて誰でも出品できるようになりましたが、高品質なNFTが出品されており、高価格帯の取引が多いです。
NFTマーケットプレイスに悩んだら「Coincheck NFT(β版)」と「OpenSea」を登録しましょう
日本と海外のマーケットプレイスをおすすめしましたが、いくら特徴を知ったからといってどれを選べば良いか判断できない人が多いはず。僕も最初はどれを使えばいいのか全く分かりませんでした。
当時の僕のような「具体的に取引したいものが決まっているわけではないけど…」という人は、とりあえず「Coincheck NFT(β版)」と「OpenSea」を登録しておけばOKです。理由は、「信頼性」「規模/取引量」「使いやすさ」の観点から考えて初心者が抵抗感なく使えると思うからです。
「どんなNFTがあるのか」「どんなふうに売買をしていくのか」を理解するにはぴったりですので、まずはこの2つから始めてみましょう。慣れてきたら、欲しいNFTや手数料等を考慮しながら別のマーケットプレイスに視野を広げていくといいと思います。
NFTマーケットプレイスをランキング形式で比較
ここでは、マーケットプレイスをランキング形式で比較します。それぞれの規模感がイメージできると思いますので、マーケットプレイス選びの参考にしてください。
データは「DappRadar」というサイトから引用しています。先程も紹介していますが、NFTプロジェクトや取引所のデータをまとめている超優良サイトですので、データ収集の際には最適。
取引量が多いランキング
取引量が多いことは利用者にとってプラスです。多くのNFTが出品/購入されているということなので、流動的に売買できる可能性が高いです。
TOP3は以下の通り。
- 1位:OpenSea :約354億円
- 2位:X2Y2 :約253億円
- 3位:Magic Eden :約190億円
OpenSeaは圧倒的ですね。2位と100億円以上の差がありますので、やはり世界最大規模と言えます。ただ、取引量に関しては大口取引があると大きく変動するので、参考までに考えてください。
ユーザー数が多いランキング
ユーザー数が多いことは、信頼性が高いことにも繋がります。利用者が多ければ多いだけ、売買の幅も広がるので、メリットが大きいですね。ここでは直近動きのあるアクティブユーザーの数を比較します。
- 1位:Rarible :約79万人
- 2位:OpenSea :約29万人
- 3位:Magic Eden :約14万人
アクティブユーザー数では「Rarible」と「OpenSea」が市場を牽引していますね。こちらも過去30日のデータなので分析するタイミング次第で変動するので注意してください。
NFTマーケットプレイスの使い方|購入/出品方法を図解
それでは、マーケットプレイスの使い方を説明します。慣れない操作かもしれませんが、初心者でもわかるように画像を使って説明するので安心してください。
NFTマーケットプレイスは「取引所」「ウォレット」とセットで使う
まずはマーケットプレイスを使う前の準備からです。マーケットプレイスだけでNFTを売買できるわけではなく、「仮想通貨取引所」と「ウォレット」を作成する必要があります。
「取引所」は日本円と仮想通貨を交換する役割。「ウォレット」は取引所とマーケットプレイスを仲介する役割を担っています。「取引所で仮想通貨を調達する」→「仮想通貨をウォレットへ送金する」→「ウォレットとマーケットプレイスを接続する」という手順を踏むことでNFT取引ができます。
NFT取引の始め方について詳しく手順を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
>>>NFTの始め方・購入/出品方法を初心者にわかりやすく解説します!
以下では、ウォレットとマーケットプレイスの接続まで完了した上での手順を解説していきます。
NFTの購入方法を画像付きで解説
ではマーケットプレイスでのNFT購入方法を解説します。ここでは、「OpenSea」を使って解説します。他のマーケットプレイスも大きくは変わらないので参考にしてください。
まずは「OpenSea」のサイトへアクセス。
購入したいNFTを選んで「今すぐ購入」を選択します。
画面の指示に従って進み、「Complete purchase(購入完了)」を押せばOKです。
以下の記事でさらに細かく説明しているのでご覧ください。
NFTの出品方法を画像付きで解説
続いて、マーケットプレイスでのNFTの出品方法を解説します。出品したいNFTを選択し、「Sell」を押してください。
販売条件を入力して、「リスティングの掲載を完了」をクリックすれば完了です。
次は、自分で作成した作品の出品方法です。右上の「作成」をクリックします。ここで、出品するNFTの情報や販売条件を設定すればOK。
出品・販売方法についても以下の記事で説明しています。
NFTマーケットプレイスの注意点
マーケットプレイスを使う上では注意点もあります。使うマーケットプレイスを間違えると、満足に取引できないですし、最悪の場合は詐欺などにあって損失を被る可能性もあります。最低限、以下のポイントには注意してください。
詐欺や偽物に注意する
NFTはまだ成長過程の分野でして、そういう時には詐欺が横行するものです。大きな金額で無価値のものを買わせようとしたり、怪しいメールがきてウォレットの情報を盗まれてしまうという事例もあります。
大手のマーケットプレイスであれば心配は少ないですが、情報が少ないマイナーなものを使うのはおすすめしません。
また、詐欺のような悪意がなくても人気作品に似たレプリカ(偽物)が販売されることもあります。「本物だと思って買ったら偽物だった!」ということが起こり得るので、注意が必要。対策としては以下。
- 下の画像のような公式チェックマークが付いているか確認する
- 公式Twitterや公式サイト内のリンクからマーケットプレイスに入る
- アイテム数 / オーナー数 / 取引ボリュームが少ない場合は注意する
- 相場価格と乖離がある場合は注意する
仮想通貨の価格変動に注意する
マーケットプレイス上では、仮想通貨単位で価格が表示されていることが多いです。ですので、仮想通貨の価格変動も考えないと実質的な価格が判断できません。
例えば、
・9月(1ETH=20万円)に欲しかったNFTが1ETHで売られていた。
・10月(1ETH=25万円)に見たら、0.9ETHに値下がりしていた。
この場合、確かにETH単位で見ると値下がりしていますが、ETH自体の価格が上がっている(20万円→25万円)のを考慮しないといけません。
ETHの価格変動を踏まえるとNFTの価値は、
・9月 →20万円×1ETH=20万円
・10月→25万円×0.9ETH=22.5万円
となるので、実際は値上がりしていることになります。
長期的に仮想通貨が値上がりを続けるという前提であれば、仮想通貨単位で考えた取引でもいいかもしれませんが、基本的には円ベースで考えるべきですね。
操作が分かりづらいなら使わない
海外のマーケットプレイスだと、英語表記がデフォルトです。OpenSeaなど一部は日本語にも対応していますが、直訳されただけで意味が分かりにくいものも多いです。英語を扱える人は問題ないですが、苦手な人は操作を間違えてしまう可能性があります。
あいまいなまま突き進んでしまうと、取り返しのつかない失敗につながるかもしれないので、不安な場合は立ち止まりましょう。ググって解決できないのであれば、使わない方がいいです。
NFTマーケットプレイスに登録しましょう!
以上、NFTマーケットプレイスについて解説しました。記事のポイントとしては以下の5つでしたね。
- NFTマーケットプレイスはNFTを売買するための〝お店〟
- 手数料や使いやすさなどそれぞれに特徴がある
- 悩むなら「Coincheck NFT(β版)」「OpenSea」を登録
- 「取引所」「ウォレット」の作成も必要
- 詐欺や仮想通貨の価格変動にも注意する
NFTは有名になってきているとはいえ、まだ新しい分野です。当然リスクも大きいですが、今のうちに知識をつけて〝セミプロ〟になっておけば将来的に大きなリターンを得られるかもしれません。
まずは「Coincheck NFT(β版)」や「OpenSea」に登録してどんなNFTがあるのか見てみましょう。実際に見ることで、どんなNFTが高額で取引されているのかなど、イメージを掴むことができます。
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