近年、NFTに興味を持つ人が増えてきています。NFT取引をするのに必須なのが仮想通貨ウォレットでして、その中で最も有名なのがMetaMask(メタマスク)です。
「NFTの取引をしてみたいけど、メタマスクの使い方がいまいちわからなくて…」という人が多いのではないでしょうか。
本記事では、メタマスクの使い方を画像を用いながら解説していきます。PC版とスマホ版でそれぞれ説明していきます。
●この記事の結論
・メタマスクはNFT取引に必須の「財布」のような役割
・メタマスクは誰にでも使いやすい設計になっている
・デメリットもあるので注意も必要
記事を読んだ後はすぐに取引ができるように丁寧に説明します。解説を読みながら、同時にメタマスクを操作してもらうと時短になります。
MetaMask(メタマスク)とは?メリットや役割は?
まずはメタマスクの概要について説明します。なんとなくNFT取引に必須なことは理解していても、なんのために使うのか知らない人も多いですよね。メタマスクのメリットや役割について解説します。
メタマスクとは仮想通貨やNFTを保管する「財布」のようなもの
冒頭でも書いていますが、メタマスクは「仮想通貨ウォレット(以下、ウォレット)」の一種です。ウォレットは、名前通り「財布」のようなもので、NFTを取引するときはウォレットを介して行うのが基本です。
NFTの取引にはウォレット以外に、「仮想通貨取引所(以下、取引所)」と「マーケットプレイス」のアカウントが必要になります。取引所はNFT取引のための仮想通貨(イーサリアム)を調達する場所で、マーケットプレイスはNFTを売買するお店のような役割。
そして、取引所とマーケットプレイスは直接つながっていないため、仲介するのがウォレットです。「取引所」⇄「ウォレット」⇄「マーケットプレイス」のような状態。
それ以外にも、購入したNFTを保存するような役割もあり、NFTに必須のツールになっています。ウォレットの役割をまとめると以下の通り。
- 取引所とマーケットプレイスを仲介する
- 取引所で調達した仮想通貨を保存する
- マーケットプレイスで購入したNFTを保存する
- NFT売却時に得た仮想通貨を保存する
メタマスクは利用者が多く初心者にもおすすめのデジタルウォレット
ウォレットの中でも、圧倒的に人気で初心者でも利用しやすいのが「メタマスク」です。ウォレットは他にも種類がありますが、 メタマスクを使うのがおすすめ。
利用者が多いことは安心感につながりますし、何かわからないことが出てきてもググればすぐに答えが見つかるからです。僕自身も最初からメタマスクを使っていますが、使いやすくて便利です。
メタマスクは様々なサービスと連携させてNFT取引がスムーズに行える
メタマスクは連携できるサービスが多いこともメリットです。マーケットプレイスはもちろん、NFTゲームとも繋げることができます。
NFTゲームとメタマスクを接続することで、メタマスク内に保存している仮想通貨を使ってゲーム内のアイテムやキャラクターを購入することができます。
また、ゲームの報酬として仮想通貨をもらうこともありますが、その通貨を保存するのもメタマスク。
メタマスクのアカウントを作成しておくと、NFTに関する様々な場面で役立ちますので利便性が高いです。
メタマスクにはPC版とスマホ版があり利便性が高い
メタマスクはPC(デスクトップ)でもスマホ(アプリ)でも使えます。
手元にPCがない場合でも取引できるのは嬉しいですね。
NFTの取引をしていると、「外出中に欲しかったNFTが安売りしていた!」みたいなことも出てくるので、スマホで使えるのは大きなメリットです。
ただ、PCでしか行えない操作もあるので、PC・スマホ両方使えるようにしておくといいと思います。以下では、PC版とスマホ版それぞれでメタマスクを始める方法を解説していきます。
PC版でのMetaMask(メタマスク)の始め方・登録方法
ではメタマスクの始め方について解説していきます。まずはPC版の登録方法から。
以下の通りに操作してもらえば大丈夫です。細かくステップごとに説明します。
①Chromeをダウンロードする
メタマスクを使うための準備として、Google Chrome(クローム)を使えるようにします。すでにChromeを使える人は次のステップに進んでください。
メタマスクは対応しているブラウザが限られており、Internet Explorer(インターネットエクスプローラー)やSafari(サファリ)上では使えないので、Chromeをダウンロードします。
まず「Google Chrome」のページにアクセスしてください。
「Chromeをダウンロード」をクリックしてください。
基本の操作はこれだけですが、最後の工程がMacとWindowsで少し異なるので、こちらのページで確認してください。
②メタマスクをダウンロードする
続いてはメタマスクのダウンロードです。
まずは、Chrome上で「メタマスク」のページを開きます。
右上の「Download」をクリックしてください。
右上の「Chromeに追加」をクリックします。
「拡張機能を追加」をクリック。
③メタマスクのセットアップをする
右側の「ウォレットを作成」を押してください。
任意の「パスワード」を入力して、「利用規約を読んで同意しました」にチェックしたら、「作成」をクリック。
④シークレットリカバリーフレーズを保管する
そのまま画面に従って進めていくと、以下の画面になります。
黒塗りしたところに12個の英単語(シークレットリカバリーフレーズ)が並んでいます。
シークレットリカバリーフレーズはパスワードのようなもので、必ず覚えておかなければいけません。紙に書いておくなり、安全に保管してください。
さらに画面の指示通りに進めて、以下の画面までたどり着けば完成です。
この状態までいけば、すぐにメタマスクを使えるようになっています。
お疲れ様でした。
iPhone・スマホ版でのMetaMask(メタマスク)の始め方・登録方法
続いてはiPhone・スマホ版でのメタマスクの始め方です。Chromeのダウンロードがない分、登録方法はPC版より簡単です。
こちらも解説通りにやってみてください。
①メタマスクのアプリをダウンロードする
まずは、アプリ版「メタマスク」をダウンロードします。
僕の場合はすでにダウンロードしているため少し表記が違いますが、普通のアプリをダウンロードするのと同じです。
アプリを開くと以下の画面になります。
「開始」をクリック。
②メタマスクのセットアップをする
「新規ウォレットを作成」をクリックしてください。
任意のパスワードを入力し、「パスワードを作成」を押します。
パスワードは忘れないようにメモしておきましょう。
「開始」をクリックして進みます。
もう一度「開始」を押します。
④シークレットリカバリーフレーズを保管する
黒塗りの中の「表示」を押すと12個の単語(シークレットリカバリーフレーズ)が出てきますので、紙に書き写すなどして絶対に忘れないようにしてください。
そのまま画面の指示に従って操作を進めると、以下の画面になります。
この画面が出ればメタマスクが使えるようになっている状態です。
お疲れ様でした。
MetaMask(メタマスク)の使い方|入金・送金・ログイン方法など基本操作を解説
それでは、メタマスクの使い方について解説します。メタマスクの基本操作として知っておくべきことは以下の項目。
- ログイン方法
- 入金/アドレス確認方法
- 送金方法
- マーケットプレイスとの接続方法
メタマスクを使う事前準備として、仮想通貨(イーサリアム等)をあらかじめ準備しておく必要があります。仮想通貨は取引所で購入してください。
また、マーケットプレイスのアカウントも必要になるので作成しておきましょう。
メタマスクの使い方①ログイン方法
ログインの際には、「ログインパスワード」「シークレットリカバリーフレーズ」が分かっていれば問題なし。
どちらかを忘れてしまっても、確認することはできるので初回登録時に必ずメモしておきましょう。
PC版であればChrome上で、以下の赤丸印のところをクリックしてメタマスクを選択すると自動でログイン可能です。
iPhone・スマホ版であれば、パスワードを入力するだけです。
ただ、アプリをアンインストールした場合はちょっとやることが増えますので、以下の手順で操作してください。
「秘密のリカバリーフレーズを使用してインポートします」を選択。
「秘密のリカバリーフレーズ(シークレットリカバリーフレーズ)」と「パスワード」を入力して完了です。
パスワードは以前と同じものでも使えます。
メタマスクの使い方②シークレットリカバリーフレーズ/秘密鍵の確認方法
続いては、「シークレットリカバリーフレーズ」と「秘密鍵」の確認方法です。「パスワード」さえ分かっていれば両方ともすぐに確認できます。
まずはPC版で「シークレットリカバリーフレーズ」を確認する方法。
Chromeを開いてください。
上の画面の通りにメタマスクを開きます。
右上のアイコンマークを押します。
「設定」をクリック。
「セキュリティとプライバシー」を押します。
「シークレットリカバリーフレーズを公開」を押すとパスワード入力画面が出るので、入力したらシークレットリカバリーフレーズが表示されます。
続いて、PC版で「秘密鍵」を確認する方法です。
メタマスクを開いて、「・」が縦に並んでいるマークをクリックして、「アカウントの詳細」を押します。
「秘密鍵のエクスポート」を押してパスワードを入力すれば秘密鍵が確認できます。
続いてiPhone・スマホ版で「シークレットリカバリーフレーズ」と「秘密鍵」を確認する方法。
途中まで操作は全く同じなので簡単です。
左上のマークを押します。
「設定」をクリック。
「セキュリティとプライバシー」を押します。
「秘密のリカバリーフレーズを表示」を押してパスワードを入力すれば完了です。
「秘密鍵」を確認するためにはさらに下にスクロール。
「秘密鍵を表示」を押してパスワードを入力すればOKです。
メタマスクの使い方③入金/アドレス確認方法
イーサリアム等の仮想通貨をメタマスクに入金する方法です。
取引所のページ内に「出金」or「送金」(取引所から出金してメタマスクに資金が入る)というところがありますので、必要事項を入力していきます。
その際に送金先アドレスを聞かれるのですが、これは「メタマスクのアドレス」を入力します。
アドレス確認方法は以下の通りです。
Chromeのトップ画面を開いて、右上の印をしたマークを押します。
拡張機能の一覧が出てくるので、その中からメタマスクを選択。
すると、以下の画面になります。
赤い丸で囲ったところに、アドレスが書かれています。アドレスは40桁以上ある長い英数字の組み合わせです。画面上に収まらないので、途中「・・・」で省略されて表示されています。
アドレスはとても長くて複雑なので、必ずコピペで対応してください。アドレスのところにマウスを合わせてクリックすると自動でコピーできるようになっています。
もし間違えると、他の人の口座に入金してしまうこともあり、お金が戻ってこない可能性があります。
PC版でのアドレスの見方を解説しましたが、スマホ版はアプリを立ち上げた直後の画面にアドレスが書いてあるので、すぐに確認できます。
メタマスクの使い方④送金方法
今度は、メタマスクから取引所に仮想通貨を送金する方法。
PC版とスマホ版でやることは同じです。メタマスク上の手続きはシンプルですが、取引所のアドレスを取得しておく必要があります。
メタマスクを開いて「送金」をクリック。取引所で取得したアドレスを入力し、送金する仮想通貨の金額を指定すれば完了です。
メタマスクの使い方⑤マーケットプレイスとの接続方法
最後はメタマスクとマーケットプレイスの接続です。
今回は最も有名で利用者が多いであろう、「OpenSea(オープンシー)」と接続する方法を紹介します。その他のマーケットプレイスであっても手順は大きく変わらないので安心してください。
まずは「OpenSea」にアクセスします。
右上の赤い丸で囲った「ウォレット」マークをクリックします。
ウォレット一覧が出てくるので、「MetaMask」を選択。
すると、メタマスクが開きます。
画面に沿って進めていき、メールアドレス等の必要情報を入力。
このようなメールが届くので、「VERIFY MY EMAIL」を押せばメールアドレスの認証ができて、手続き完了です。
お疲れ様でした。
メタマスクとマーケットプレイスが接続できたら、マーケットプレイス上でNFTを購入するときに自動的にメタマスクが開いて、メタマスク内の資金でNFTが買えるようになっています。
MetaMask(メタマスク)のデメリット・注意点
メタマスクはメリットが大きくおすすめではありますが、デメリットもあるので理解しておきましょう。
メタマスクはハッキングされた過去がある
ウォレットにはインターネットに接続している「ホットウォレット」と、オフラインでも使える「コールドウォレット」の2種類があります。メタマスクはホットウォレットに分類されています。ホットウォレットはネットに接続していることから、コールドウォレットと比べるとセキュリティが弱くハッキングされる可能性があります。過去にはメタマスクから数十億円の資産が盗まれたという事例もあります。
ハッキングされた事例は、シークレットリカバリーフレーズ等を他者に教えてしまったり、詐欺サイトから入寮を依頼されて指示に従ってしまったというのが主な原因です。つまり、意識的に気をつけておくことで対応が可能ということ。
ハッキングのリスクを知っておき自分の情報管理を徹底することが解決策になります。知らないサイトやメールアドレスから連絡が来て、シークレットリカバリーフレーズ等の重要情報の入力を依頼されても決して入力してはダメです。歴史の浅いNFTは詐欺が少なくないので、注意が必要ですね。
メタマスクは利用できるブラウザが限定的
メタマスクは利用できるブラウザが限られています。対応しているブラウザは以下の通り。
- Google Chrome
- Firefox
- Brave
- Microsoft Edge
Internet Explorer(インターネットエクスプローラー)やSafari(サファリ)では利用できません。「メタマスクを検索しているのに開けない」という場合はほどんどの場合、ブラウザが対応していないのだと思います。
メタマスクの対応ブロックチェーンが限定的
メタマスクは対応しているブロックチェーンが多くはありません。つまり、扱える仮想通貨の種類が限られているということです。
一般的にNFT取引に使うイーサリアムは対応しているのでそこまで大きなデメリットではないと思いますが、長く使っていると不便に感じる瞬間があるかもしれません。
MetaMask(メタマスク)に関するQ&A
安全性に問題はない?
前述しましたが、100%安全とは言えません。過去にハッキングされた歴史もありますし、今後同じことが起こるかもしれません。
ですが、頻繁にハッキングが起こっているわけではないですし、詐欺の手口を知っておけばある程度の対策は可能です。利便性を考えると、やはりメタマスクを使うのがおすすめです。
コストがかかる?手数料が高い?
アカウントを作成するだけなら無料でできます。
かかるコスト(ガス代)としては、メタマスクから仮想通貨を送金するとき。時間帯などによっても変わりますが、数十円~数百円のコストになります。
ビットコインの送金もできる?
ビットコインはメタマスクで扱えません。
先ほど、対応ブロックチェーンが限定的ということをデメリットとして書きました。メタマスクはビットコインのブロックチェーンに対応していないので、使えません。
MetaMask(メタマスク)以外のウォレットは?
メタマスク以外にもウォレットはあります。コインチェックなどの取引所が運営しているウォレットもありますし、「Ginco」「JAXX」なども比較的有名です。
ですが、使いやすさを考えると最初に使うウォレットとしてはメタマスクがおすすめ。
MetaMask(メタマスク)を使ってNFT取引を始めましょう!
以上、メタマスクについて解説してきました。記事のポイントとしては以下の4つでした。
- メタマスクはNFT取引に必須の「財布」のような役割
- メタマスクは誰にでも使いやすい設計になっている
- PCでもスマホでも使えるようにしておくべき
- ハッキングには注意が必要
NFT取引はまだ発展途上で、リスクもありますが大きなリターンを狙えます。市場が成熟する前に知識を身につけて利益を狙いましょう。
記事通りに操作をしてもらえれば10分くらいでメタマスクを使い始めることができます。さっそくメタマスクのアカウントを登録してNFT取引を始めましょう。「取引所」と「マーケットプレイス」のアカウント作成がまだの人はそちらもついでに登録しておきましょう。
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